秋を快適に過ごすアーユルヴェーダ養生法
AYUR seikatsu
秋はピッタが悪化する季節
秋は、夏の間に蓄積されたピッタが悪化する時期です。
今年は昨年に引き続き、日本各地で最高気温35℃を超える猛暑日が続いていましたので、ピッタの蓄積も多くなっていると思われます。
だからこそ、早めにピッタを鎮静させる生活を心がけることが健康のポイントです。
まずは食生活を改善すると良いでしょう。
辛い、酸っぱい、しょっぱいものをとりすぎないようにし、なるべく甘くて軽い、冷性のものをとるようにしましょう。
秋の消化力について
秋は気候的にも過ごしやすくなり、夏に比べると食欲が回復してきますので、秋の味覚を楽しみたくなる季節です。
「食欲の秋」といわれるように秋は食欲は出てきますが、消化力に応じた食事をすることが大切です。
香辛料が効いた食べ物や揚げ物のとりすぎ、強いお酒（ブドウ酒は除く）は避けるようにしましょう。
ヨーグルトは粘着性・重性といった性質を持つため、消化に重いのであまりお勧めできません。
消化に良いものを食べるようにしましょう。
秋のドーシャ
秋は夏に増えて溜まったピッタドーシャが体にあらわれる季節です。
また秋晴れの太陽の光の影響で、さらに体内のピッタが悪化する可能性もありますので注意が必要です。
秋はピッタを鎮静する生活処方を早めに行なっておくと良いでしょう。
台風の影響で蓄積されたヴァータは冷性のため、ピッタの悪化に伴う温性の影響により正常化していきます。
ピッタを悪化させないためにはヴァータを増加させないようにしましょう。
ピッタは火のエネルギーですので、ピッタが増えることで食欲が出てくるかもしれませんが、上記にありますように、くれぐれも消化力の状態に応じて食事をすることが大切です。
秋によくみられる症状
秋は徐々に寒くなっていくため、身体の熱が表面に出てこれなくなり、皮膚疾患があらわれやすくなります。
食欲が湧いてくることで食べ過ぎや飲み過ぎてしまい、胸焼けや消化不良などが起きやすいので気をつけたいですね。
また、イライラしやすいので、なるべく穏やかに過ごすように意識しましょう。
ピッタが悪化した時の症状がみられる季節ですので、ピッタを鎮静することが大切です。
体と心の不調
皮膚や消化器系のトラブルがみられる
- 皮膚病
- 口内炎
- 発熱
- 食欲旺盛
- 胸焼け
- 消化不良
- 抜け毛
- 眠れない
- イライラしやすい
秋に取り入れたい生活処方
秋はピッタが悪化する季節ですので、鎮静する生活処方を早めに取り入れることで、健やかに秋を過ごすことができるでしょう。
規則正しい生活やバランスの良い食事、適度な運動に加えて、下記をぜひ試してみてください。
METHOD
01
旬の甘味・苦味・渋味のある野菜や果物をとる
さまざまな旬の味覚が出てくる季節。さつまいも、キャベツ、きゅうり、ぶどう、いちじく、梨、りんごなどがお勧めです。アーユルヴェーダでは、ぶどうは黒いぶどうが良いといわれています。アーユルヴェーダの薬用酒は黒いぶどうから作られています。
甘味・苦味・渋味は身体に溜まった熱を冷ましますので、積極的にとりましょう。
METHOD
02
油はギー（バターオイル）をとる
食欲の秋。しかし、暴飲暴食はいけません。
消化しやすい食事をよく噛んで、腹八分目を心がけることが大切です。
料理には、油脂類はギー（バターオイル）を使うと良いでしょう。
METHOD
03
宵の口に月光を浴びる
季節の花を飾り、清潔な衣服を身につけて夜に月光を浴びることが良いとされています。満月の夜はぜひお月見する時間を持ちましょう。
また、月光を浴びた水を飲むことが、体に良いと古典に記載されていますので、試してみるのも良いですね。月の光は、体に溜まったピッタの熱を鎮静してくれます。
METHOD
04
飲み物は牛乳・緑茶・コーヒー・ココナッツウォーターに
牛乳は温めたものを飲むとピッタを鎮静させますので、温めて飲むようにしましょう。緑茶やコーヒーは1日2〜3杯飲むことも良いとされています。
アーユルヴェーダではお酒はブドウ酒が良いといわれています。特に黒いブドウ、つまり赤ワインがお勧めです。
CAUTION
！
避けるべき秋の生活処方
塩味・酸味・辛味、油脂類（ギー以外）はなるべく控えましょう。
飲酒は良くない季節なので、水で薄めたり、アルコール度数の低いお酒を飲むことをお勧めしています。（ぶどう酒は除く）
体力は中程度なので、運動もしすぎたり、暴飲暴食したりすることは避けましょう。
秋に取り入れたい
食材・スパイス
秋はピッタを鎮静するような食材やスパイスはもちろん、消化にも優しいものを取り入れたいですね。
苦味・渋味・甘味のあるものをとって、悪化したピッタを鎮静させましょう。
具体的な料理をあげると、さつまいもご飯や栗ご飯、根菜の蒸しもの、煮物、スープなどの温かい食事がお勧めです。
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参考文献
日本アーユルヴェーダ学会・訳. チャラカ本集総論篇. 3版, せせらぎ出版, 2019, 767p, p.128-130
クリシュナ・U・K. 古典から学ぶアーユルヴェーダ. 東方出版, 2019, p214, p.81-83