
About Agni
アグニとは
健康な身体をつくる源
アグニの状態で健康にも病気にもなる。
アグニを正常にすることが
アーユルヴェーダの健康の基本。
アーユルヴェーダでは、ドーシャと同じくらい重要なのが「アグニ」になります。
アグニとは、「消化力」のことで「消化の火」ともいいます。
アーユルヴェーダは、様々な病気は「アグニ(消化力)」に原因があるといわれています。
飲食したものを消化し、吸収し、代謝させて、自分の細胞に取り込む力のこと、変換する力のことがアグニなのです。
アグニは、胃や腸に広く働きますが、特に十二指腸が消化の火の部位としてあげられています。
鍋に入れた米を下から火で炊くように、胃袋に入った食事を消化の火で消化させます。
消化の火(消化力)は弱くても、強すぎても病気になります。ちょうど良い火で消化させることが大切です。

アグニ(消化力)の役割
アグニは、身体にとって重要な栄養素を作り出す「消化の火」で、身体を作り上げる源といってもよいでしょう。
この火が身体に熱を生み、食べ物を消化し、熱意や情熱といった感情までも生み出すのです。
アグニは、季節や時間などの環境の変化によっても変化し、また感情によっても変化します。
それほどアグニは繊細であり、体調を左右する影響力があり、健康にとって重要なものなのです。
アグニ(消化力)の4つの状態
アグニの状態は、ドーシャのバランスに関係していて、4種類に分類されています。
アグニが正常に機能していると、食べ物は効率的に消化され、栄養が体に吸収され、不要なものが排出されます。
一方、アグニが正常に機能しない場合は、食べ物は消化不良を起こし、栄養がうまく作られず、不要なもの(未消化物)が体内に溜まっていきます。
アグニ(消化力)の状態を知る方法
アグニの状態を簡単に知るには、食事の時間にお腹が空いているかどうかです。
前の食事の内容や時間にもよりますが、食事の時間にきちんとお腹が空いていることが大切です。
下記をご覧になり、何か思い当たることがあれば、アグニの状態を観察してみましょう。
アグニは正常に機能することで無病長寿になり、異常になると病気になりますので、日頃からアグニを観察することが大切です。
アグニが正常なときの状態
・色つやが良くなる
・体力が増す
・体に必要な栄養が全身に行き渡る
・代謝や熱量が高まる
・活力が湧く
アグニが異常なときの状態
・お腹が空かない(食欲不振)
・消化不良
・栄養不良
・やる気が出ない
・便秘もしくは下痢
アグニ(消化力)を乱す原因
アグニを乱してしまうよくある原因は、「冷たい水を飲むこと」「前の食事で食べたものが消化されていないのに、他の食べ物を食べ重ねること」です。
自分の体質や年齢、季節などを考慮し、その日の消化力に応じた最適な量を食べることが大切です。
胃の容量の1/3は個体のもの、1/3は流動性のもの、1/3は気体(空間)となるように食事をすると、消化がしやすくなるといわれています。
正常なアグニ(消化力)にする方法
アーユルヴェーダでは、正常なアグニにするための様々な方法があります。
自分の現在のドーシャの状態によって行うべきことはそれぞれ違ってきますが、体質にあまり関係なく、共通してアグニのためにできることをこちらではご紹介します。
METHOD
01
お腹が空いたら食事をする
食事は規則正しく取ることが大切です。ただし、お腹が空いていない時は無理して食べることはやめましょう。

METHOD
04
ストレスを溜めないように過ごす
ストレスはアグニを低下させる要因の一つです。リラックスするための瞑想、深呼吸、ヨガ、マインドフルネスなど、気持ちがリフレッシュできることを見つけておきましょう。

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参考文献
日本アーユルヴェーダ学会・訳. チャラカ本集総論篇. 3版, せせらぎ出版, 2019, 767p, p.469-470, p.525-526
クリシュナ・U・K. 古典から学ぶアーユルヴェーダ. 東方出版, 2019, p214, p.184-193