
Ayurveda!?
アーユルヴェーダとは
人生を豊かにする生活処方
日々の生活スタイルや食事の習慣を
ちょっとだけ変えるだけで健康になれる。
それがアーユルヴェーダ。
アーユルヴェーダとは
アーユルヴェーダはインド亜大陸を起源とする伝統医学であり、ユナニ医学や中国医学と共に世界三大伝統医学の一つです。
アーユルヴェーダは5,000年に渡り現代に受け継がれてきた総合的な医学体系です。現在、インドやスリランカを始め、世界各国でアーユルヴェーダが行われています。
古代インドの4つの聖典の一つの「アタルヴァヴェーダ」がアーユルヴェーダと深い関係にあるといわれています。
アーユルヴェーダは、三大古典書「チャラカ・サンヒター」「スシュルタ・サンヒター」「アシュターンガ・フリダヤ」に基づき、現代へ継承されています。
アーユルヴェーダという言葉は、
サンスクリット語で「寿命もしくは生命(アーユス/ayus)」「科学(ヴェーダ)/veda」を意味します。
『人間の身体、心、精神の健康を護り、病気を鎮静すること』を目的としています。
世界保健機関(WHO)憲章によっても「健康」について下記のように定義されています。
健康とは身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病のない状態や病弱でないことではない
世界保健機関(WHO)憲章
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not
merely the absence of disease or infirmity.”
つまり「健康」とは、「病気」のことだけではなく、いかに日々の生活を「体も心も幸せに暮らす」ことといえるでしょう。
高齢化社会の日本において、一人ひとりが心豊かに生き生きと過ごせるようにしていくためには、単に長寿であるだけではなく、「いかに幸せで健康に過ごすことのできる期間を長く保つか」が大切なのではないでしょうか。
まさにアーユルヴェーダの目的と同じなのです。
アーユルヴェーダとは、
チャラカ・サンヒター 第1巻 第1章
有益な人生・無益な人生、
幸福な人生・不幸な人生、
人生にとって有益なことと無益なこと、
人生の長さ、
人生そのものについて説かれているもののことをいう
アーユルヴェーダは、そのような日本の高齢化社会にとって、一人ひとりに役立つ情報がたくさんあります。例えば、個々の体質(プラクリティ)と環境、季節に応じて、一人ひとりに適した日々の健康法をお勧めしています。
アーユルヴェーダの基本概念
アーユルヴェーダは、身体の全体的なバランスと調和を強調する概念に基づいていて、自然の法則と密接に関係があるといわれています。健康を維持するためには、自然の法則に寄り添いながら、個々の3つのドーシャ(体質)のバランスを保つことが重要とされています。
3つのドーシャ(体質)とは
ドーシャとは不純なもの、病素という意味を持つ、体質または生命エネルギーのことをいいます。
身体や精神は、3つのドーシャ(体質)「ヴァータ/Vata」「ピッタ/Pitta」「カパ/Kapha」に分類され、それぞれのバランスを保ちながら、健康状態を保っています。
そのドーシャのバランスは、一人ひとり異なリます。バランスを崩すと体に不調が現れるため、バランスを保つための知恵こそがアーユルヴェーダです。三元素(トリ・ドーシャ)といわれ、アーユルヴェーダの基本の考え方になります。

\ ドーシャチェック /

ドーシャは「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」に
分類され、一人ひとり体質の傾向が違います。
まずはご参考までに自分のドーシャを
セルフチェックしてみましょう。
治療としてのアーユルヴェーダ
アーユルヴェーダの治療とは
アーユルヴェーダの治療には二種類あり、鎮静法と浄化法です。
鎮静法には、主に食事療法、健康法(ヨガ、瞑想)、自然の植物、鉱物、金属などを自然界の物を使用する療法があります。
浄化法は、パンチャカルマ療法があります。
パンチャカルマ療法とは 、サンスクリット語で「5つの療法」という意味で、心身に蓄積された毒素や老廃物、ストレスを排出し、本来の身体が持っている機能を取り戻す方法です。個々の体質や体調に合わせて細かくプログラムされたメニューを14日〜21日間行います。
インドでは、西洋医学と同様にアーユルヴェーダは医療として病院やクリニックが数多くあります。
しかしながら、日本では保険診療の医療として認められていないため、一部の医療機関で自由診療のアーユルヴェーダ外来として治療を行っていますが、ごくわずかです。(2024年1月現在)
アーユルヴェーダの知識を習得した日本の医師免許を持つ医師が行ったり、インドの大学で学びアーユルヴェーダ医になり、日本の医師の管理下のもと行ったりしています。
今後アーユルヴェーダが徐々に日本で広まっていくことで、アーユルヴェーダの治療を行うクリニックや病院が増えていくことに期待したいです。
健康増進としてのアーユルヴェーダ
日本で健康的な暮らしにアーユルヴェーダ
アーユルヴェーダは、まいにちの生活で取り入れることで健康的な生活をおくることができますので、まずは健康増進や病気予防として取り入れるとよいでしょう。身近にあるもので簡単にできることが多いので、少しずつ実践することでアーユルヴェーダの良さを実感してみることがおすすめです。
健康志向の傾向が強まってきている今、多くの方がアーユルヴェーダの知識を正しく習得し、ご自身はもちろん、まわりの身近な人を健康にしてあげるようなことが広まる社会になることを願っています。
食事・生活・運動・メンタルの良い習慣を
アーユルヴェーダは、病気を治療するだけでなく、予防と健康増進のために役立つ知恵がたくさんあります。一人ひとりの状態や特性に応じて、食事、生活習慣、運動、精神的なバランスを調整することで、健康をサポートします。
最近ではスパイスカレーのお店でアーユルヴェーダの理論を取り入れたカレーを提供しているお店も増えてきました。
また、スーパーでは健康食材やスパイスなど、健康志向の方向けのラインナップが増えてきています。
長寿時代といわれる今、ご自身や家族の健康に興味を持つ方が増えていると感じます。
アーユルヴェーダでは、季節に応じて一人ひとりに合った体に良い食材やスパイスを取り入れることをおすすめしていますので、日本においては、健康アドバイスを行うアーユルヴェーダの知識を習得したカウンセラーが今後は増えていくことでしょう。
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参考文献
日本アーユルヴェーダ学会・訳. チャラカ本集総論篇. 3版, せせらぎ出版, 2019,767p, p.11
クリシュナ・U・K. 古典から学ぶアーユルヴェーダ. 東方出版, 2019, 214p, p.22-23
厚生労働省. 世界保健機関憲章(◆昭和26年06月26日条約第1号).(参照 2023-12-28)