アーユルヴェーダの早起きのメリット

最適な起床時間とは
アーユルヴェーダにおいて、日の出の96分前(ブラーフマ・ムフールタ)に起きることは心身の健康に大変重要とされています。
日の出の96分前から日の出までの時間帯は、1日の中で最も特別なエネルギーに満ちていて、心と体にとって良い影響を与えてくれる時間といわれています。
日本でも明け方は曙などの特別な呼び方があるように、昔から特別な時間として大切にしています。
日の出を基準としているので、季節によっては96分前がかなり早い時間になってしまうため、その場合はヴァータの時間帯である朝6時までに起きると良いでしょう。
早く起きるために、前の晩は早めに就寝するようになります。心身の健康のためには「早寝早起き」の習慣化が大切です。
特に冬は日の出の時間が遅いので、日の出の96分前(ブラーフマ・ムフールタ)の起床を試しやすい時ですので、ぜひ試してみましょう。
健康人よ、生命を守るために、日昇1時間半前(ブラーフマ・ムフールタ)に起床しなさい
アシュターンガ・フリダヤ・サンヒター 総論2章
早起きするメリット
「早寝早起きは三文の徳」ということわざがあるように、朝早く起きると健康によく、仕事や勉強がはかどるなど、ほんの少し徳を得られるといわれています。
アーユルヴェーダの観点からも早起きはさまざまな健康へのメリットがありますので、ご紹介します。

心が落ち着く
Calm Mind
空気が最も新鮮で、周囲も静かで、心が落ち着きやすい時間帯です。
だから瞑想やプラーナヤーマ(呼吸法)を行うのに最適といわれています。

身体の自然なリズムが整う
Body's Natural Rhythm
早起きすることで消化機能が促進されて、便通が整いやすくなります。また、日の出前のヴァータの時間帯に起きることで、ドーシャバランスや体内時計が整うと考えられています

免疫力の向上
Improving Immunity
この時間帯の新鮮な空気は、酸素が豊富で、体内の浄化や免疫力の向上に役立ちます。
抵抗力が高まり、病気にかかる確率が減少し、寿命が伸びるといわれています。

活力の増加
Increased Vitality
早朝に軽い運動(散歩、ヨガ、ストレッチなど)をすることで、血行を促進し、エネルギーの流れを活性化します。体が軽く感じられ、気分良く一日をスタートでき、長生きにも関係しています。

メンタルヘルスの向上
Improving Mental Health
太陽の光を浴びることは、ストレスを軽減させ、うつ病などの精神疾患の予防には欠かせません。早朝に自分だけの時間を持つことで、心にゆとりとポジティブな気持ちが生まれます。

記憶力の向上
Improve Memory
早朝は神聖なエネルギーが高まり、学習やクリエイティブな活動に適しているといわれています。特にこの時間に行う学習は記憶に残りやすいそうです。

美肌と美容効果
Beauty Effects
早起きして活動することで、お肌の血流も良くなり、肌が明るくなります。
またホルモンバランスも安定しやすいので、美容にも良い影響を与えます。

充実した一日を実感
Experience a Fulfilling Day
誰にも邪魔されない自分一人の時間を取れるため、やりたかったことが捗り、充実した1日を実感できます。1日が長く感じることができるのも嬉しいポイントです。

ポイント♪
私自身、学習をするときは、確かに早朝の方がはかどります。
朝早く起きられた時は、特別な時間をぜひ有効活用してみてくださいね。
心と体を整える朝活のススメ
アーユルヴェーダでは朝一番に行うべきことがたくさんあります。
だから、早起きしてちょうど良い感じです。
私自身、早起きをすると1日が長く感じられ、充実した1日だったと夜に感じられることが多い気がします。
なるべく心がけることが大切ですので、まずは一つからで良いので、無理のない範囲で試してみてください。
朝活ですべきこと
心と体を整える朝の過ごし方
- トイレに行く
- 歯磨きや舌磨き
- ガンドゥーシャ
(オイルうがい) - 常温の水を飲む
- 軽い運動
- オイルマッサージ
- 入浴
- 身支度
- 瞑想


朝の過ごし方については、1日の過ごし方(ディナチャリヤ)をご覧ください。
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参考文献
日本アーユルヴェーダ学会・訳. チャラカ本集総論篇. 3版, せせらぎ出版, 2019, 767p, p.108-114
クリシュナ・U・K. 古典から学ぶアーユルヴェーダ. 東方出版, 2019, p214, p.46-49