アーユルヴェーダにおける牛乳の大切さ

アーユルヴェーダにおける牛乳とは
アーユルヴェーでは牛乳は、オージャス(活気)を高める貴重なものです。
インドでは牛は神様と同等の存在として暮らしているほど、とても高貴な存在です。その牛からとれた牛乳は人に生命力を与える最も優れた強壮剤です。
朝絞った牛乳は重性・冷性が強く、夕方に絞った牛乳は疲労を除き、視力に良いといわれています。
日本では、子どもの頃から牛乳を飲む習慣があるので、とても身近な飲み物の一つではないでしょうか。
乳牛の種類は、ホルスタイン牛が約99%、ジャージー牛が0.8%、その他の牛が0.1%です。
日本で親しまれている牛乳の大半が家畜酪農で、牛舎で牛の世話をし、穀物の飼料で体調をコントロールしながら、より多くの牛乳を搾乳できるように育てています。
搾乳した牛乳は、ホモジナイズ(脂肪球を均一化)し、高温殺菌を行なってから出荷しています。
牛乳の大半は、複数の酪農家から集められた生乳を合乳し、出荷されています。
牛乳を国内で安定供給するためには必要なことですが、酪農家にとっては生計を立てる上で、厳しい現状のようです。
そこで最近では、日本でも24時間放牧酪農を取り入れた酪農家が少しずつ増えています。
自然に育った牧草を食べている牛からとれる牛乳は、グラスフェッドミルクとして販売されています。
グラスフェッドミルクはノンホモジナイズ(脂肪球を均一化しない)で、低温殺菌を行なってから出荷しています。
牛乳本来の味わいを大切にしている製造方法です。
健康のためには、やはり質の良い牛乳を飲むことが良いでしょう。
海外ではノンホモジナイズされた牛乳が一般的ですが、日本だけはホモジナイズした牛乳というのは驚きです。
質の良い牛乳をとりたい
牛乳は、健康にとって欠かせないものですが、良くも悪くも身体へ影響を与えやすい特徴があります。したがって、正しく飲んだり、料理に使用したりすることが何より重要です。
間違った飲み方を続けていると、健康になるどころか、病気になるリスクが高くなりますので、注意が必要です。
正しい牛乳のとり方をこちらではご紹介します。
正しい飲み方
アーユルヴェーダでは
牛乳本来の味を楽しみたい
- 人肌に温めた牛乳を飲む
- 牛乳は単独で飲む
- お腹が空いている状態で飲む

間違ったとり方
アーユルヴェーダでは
牛乳を使った料理は避けたい
- 食事中に一緒に飲んではいけない
- 塩味や酸味のものと一緒にとってはいけない
- 魚と一緒にとってはいけない

アーユルヴェーダで牛乳は、酸、タンパク質、酵素などと一緒になると、消化・代謝しにくく、消化不良になるといわれています。
といわれても、間違ったとり方を聞いて、ちょっとびっくりした方も多いと思います。
そこで、全てダメと決めつけるのではなく、頻度を減らしたり、消化・代謝しやすいスパイスを少し足してみたりして、まずは意識するところから始めましょう。
健康のための一つの知恵くらいで考えてくださいね。
食べる以外の牛乳の活用
牛乳は、牛乳石鹸でもお馴染みのように、口にする以外にも様々な使い方をしています。
牛乳はお肌にとても良いので、牛乳で手を洗ったり、お風呂に入れたり(牛乳風呂)すると肌がもっちりと潤います。
また、ガンドゥーシャといって口の中に牛乳を含むことで、お肌の若返りや口腔内の病気予防などにも効果があります。
さらに、牛乳を撹拌して最終的にできたバターオイルであるギーは、口に入れる最高のオイルとして1,000もの効果があるといわれています。
日本ではほとんど行われておりませんが、インドでは医療でパンチャカルマという治療法にも使われています。
このように牛乳は、人間の体にとって欠かせない貴重な飲み物であり、薬なのです。
牛乳を正しく理解してほしい

健康のためには、質の良いものを口にしたいので、質の良い牛乳を飲みたいところです。
日本で販売されている牛乳はたくさんありますが、値段は製品によって様々です。
牛乳を正しく理解した上で、牛乳を選んでいただけたらと思います。
私は牧場を訪れている中で、牧場長の方とお話ししますが、みなさん牛の健康を第一に考えて、より良い牛乳をお届けしようと365日頑張っています。
しかし、水より牛乳が安いのはどうして?と感じている酪農家さんもいらっしゃいました。
やはり牛乳の価値をあまり理解されていない消費者が多いという声を聞きます。
まずは牛乳を正しく理解した上で、牛乳のすばらしい価値を今一度考えていただければ幸いです。
アーユルヴェーダは牛の恩恵を大切にしています。
日本において、牛の価値をもっと高めるために何かできたらと考えています。
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