
What is Rock Salt?
アーユルヴェーダで
最も優れた塩
「岩塩」を食卓に
調味料として欠かせない塩。
だからこそ身体に良い塩を使いたい。
古代からの自然の恵みでできた
貴重な塩。
塩と日本人
日本人の食塩摂取量は、1日あたり約10g。
世界保健機関(WHO)は1日あたり5g未満を推奨していますの、約2倍摂取しています。他の国と比べても大きく上回っています。
これは日本の食文化の影響が大きく、特に醤油や味噌などの調理料から多くとっています。
このような状況から、日本では減塩対策をした食品が販売されています。
アーユルヴェーダでは、身体に良い塩「岩塩」を摂取することをお勧めしています。
塩の種類
塩は作り方で2つの種類に分類されています。
精製塩
電気分解によってナトリウムイオンを抽出し、煮詰めて塩の結晶を作る方法。
食塩や食卓塩としてお馴染みかと思います。 塩化ナトリウム(NaCl)という物質で、ミネラルが含まれていません。
自然塩(天然塩)
地中や海水などの自然から塩を抽出した方法。
塩化ナトリウム(NaCl)以外にもミネラルが多く含まれて、甘味や苦味があります。岩塩や海水塩が含まれます。

岩塩とは
岩塩は、はるか昔、地球の海底が地殻変動で隆起した時に海水が陸上に閉じ込められたり、塩湖が水分蒸発した時に塩分が凝縮したりして、結晶化したものといわれています。
舐めるとほんのり甘く優しい味は、長年にわたる自然の恵みがいっぱい詰まった貴重な贈り物といえるでしょう。
塩化ナトリウム(NaCl)という物質で、岩塩の種類によって、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルや銅、鉄、硫黄などが含まれて、甘味や苦味もそれぞれ違います。
岩塩の種類は、産地や地層によって成分が異なり、桃白色、白色、透明色、赤色などさまざまな岩塩の色があります。
日本のスーパーで見かける岩塩をご紹介します。
ヒマラヤ岩塩
(ヒマラヤピンクソルト)

ヒマラヤ山脈で採れる日本のスーパーでよく見かける鉄分豊富な岩塩。甘みが強く、まろやかな舌触りのため、和食はもちろん、あらゆる料理に合います。
ヒマラヤルビー岩塩
(ブラックソルト)

宝石のルビーのような赤い色の岩塩。他の岩塩より深い地層から採掘され、硫黄の香りがするのが特徴。亜鉛、鉄、マグネシウムなどのミネラルが豊富。
クリスタル岩塩
(クリスタルソルト)

ヒマラヤ岩塩と同じ岩塩層から採掘されますが、採れる量が少ないため希少価値が高い岩塩。
アンデス岩塩
(アンデスソルト)

アンデス山脈から採れる鉄分豊富な岩塩。しっかり塩味を感じる料理に仕上げたいとき重宝する岩塩。
岩塩の効果
岩塩は、太古の自然の恩恵がたっぷり凝縮された塩なので、身体にとってさまざまな良い効果があります。
アーユルヴェーダの古典書「チャラカ・サンヒター」には、下記のように書かれており、現在も継承されています。
岩塩:最上の塩である、食欲増進、消化力増進、強精、視力向上、灼熱感を起こさない、3ドーシャ鎮静、軽度甘味の性質と作用がある。
チャラカ・サンヒター 第1巻 第27章

味覚を与える
Improved Taste
唾液分泌を促し、味を敏感に感じるようになります。
食事前に生姜と岩塩を口にすると、食事を美味しく食べることができます。

消化力アップ
Digestion Up
アーユルヴェーダでは「消化力」は健康のためにとても重要と考えています。腸の蠕動運動を促進させるオレイン酸の効果により腸内環境を整えます。

強精作用
Tonic Effect
滋養強壮、発育や成長の促進、造血作用、生殖組織を興奮させる効果があります。

眼に良い
Good for Eyes
眼の不調は熱さが原因といわれており、岩塩は冷性でピッタドーシャを抑えるため、クールダウンします。

灼熱感を抑える
Reduce burning sensation
塩味は熱性の作用がありますが、岩塩のみ冷性の作用があります。従って体の熱を冷ます効果があります。

3ドーシャを鎮静する
Good for Tridohas
3ドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)を鎮静する効果がある貴重な塩。塩味はピッタを増やすといわれていますが、岩塩は例外です。
岩塩の使用方法
料理で味を整えるために、塩を少し入れる方が多いと思います。
アーユルヴェーダでは、塩はなるべく「岩塩」に変えることをお勧めしています。
少し甘みがあるので、料理の味をまろやかにし、旨味を引き出してくれます。
砂糖の量を少し減らせることができるので、健康には一石二鳥ですね。
私は手作りの味噌や梅干しは岩塩で作っています。

ポイント♪
アーユルヴェーダでは、「牛乳と塩」の組み合わせは、料理で避けるべきといわれています。
消化に重く、未消化物を生み出すといわれている組み合わせのためです。
岩塩のよくある質問
調味料として使う場合、塩の適切な摂取量を教えてください。
健康的な日本人の成人男女が目標とすべき1日の食塩摂取量は、男性が7.5g/日未満、女性が6.5g/日未満とされています。日本では減塩対策が推進されていますので、岩塩や食品に含まれる食塩も含めて1日の摂取量は超えないようにしましょう。
アーユルヴェーダではどの岩塩が良いのですか
様々な岩塩が販売されていますが、アーユルヴェーダでは「質の良いもの」が身体により良い効果を与えるといわれます。
それぞれの岩塩については販売店の方に詳しく聞いてみるとよいでしょう。よく使われるのは、日本で流通量の多いヒマラヤ岩塩(ヒマラヤピンクソルト)です。
調味料以外に健康のために岩塩は使用できますか。
バスソルトやマッサージなどの美容目的でも使用されています。
空気浄化のためにキャンドルやベッドサイドランプなどのインテリアとしても活用されています。
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参考文献
日本アーユルヴェーダ学会訳. チャラカ本集総論篇. 3版, せせらぎ出版, 2019, 767p, p.594-595, p.578
厚生労働省. 食環境戦略イニシアチブ「私たちの課題」(参照2024-4-29)
厚生労働省. e-ヘルスネット ナトリウム(参照2024-4-29)